独立行政法人労働者健康安全機構 長崎産業保健総合支援センター
 
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調査研究  
 
 
「メンタルヘルス指針」への事業所の取り組みの実態調査

主任研究者 長崎産業保健総合支援センター 所 長  栄田 和行
共同研究者 長崎産業保健総合支援センター 相談員  田川 宜昌
共同研究者 長崎産業保健総合支援センター 相談員  金原 俊輔
共同研究者 長崎産業保健総合支援センター 相談員  田川 安浩
共同研究者 長崎産業保健総合支援センター 相談員  南野 健
共同研究者 長崎産業保健総合支援センター 相談員  竹本 泰一郎

1.はじめに
 平成12年に厚生労働省より「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」が策定され、全国的にメンタルヘルスに関する様々な事業が行われているが、事業場での取り組みの実体は必ずしも明らかにされていない。今回の研究は現在事業場での取り組みを調査し、今後のメンタルヘルス推進の参考とするためになされた。

2.対象と方法
 平成14年に長崎産業保健総合支援センターに50人以上の事業場として登録された1138事業場に対し郵送にてアンケート用紙を配布し、312事業場より回答を得た。(回収率27.4%)

表1 回答した事業場の規模


3.結果
《心の健康づくりについて》
 過去に事業場内でメンタルヘルスの事例が発生したことがある事業場は71(23.4%)であった。小・中規模の事業場でも発生例がった。また、過去1年間に事業場内で発生したものは58.6%であった。(表2)

表2 過去1年間に事例が発生した事業場数


 「事業場における労働者の心の健康づくりに関する指針」が策定されたことを知っていると答えた事業場は48.1%で、指針自体の周知度はまだ低いレベルであった。また、指針に基づいて具体的な活動を行っている事業場は34事業場(12.0%)であった。

《心の健康づくり計画について》
 健康診断の問診表や無記名アンケート調査、面接などにより従業員の心の健康に関する実態が把握されている事業場は23(37.7%)であった。メンタルヘルスに関する事項が年間計画に盛り込まれている事業場は29(46.8%)であった。メンタルヘルス担当スタッフと人事担当者との提携システムがある事業場は35(58.3%)であった。プライバシーに対する配慮が充分になされている事業場は48(82.8%)であった。

《セルフケアについて》
 職業性ストレス調査票などを利用したセルフチェックを行っている事業場は19(31.7%)であった。
 自発的相談が出来るようになっている事業場は34(58.4%)であった。セルフケアに対する支援活動の効果が上がっている事業場は18(34.0%)であった。

表3.セルフケアに関する教育、広報が行われている事業場


《ラインによるケア》
管理監督者の教育が行われている事業場は29(51.8%)であった。管理監督者による積極的な相談活動が行われている事業場は25(44.6%)であった。管理監督者からの相談窓口が整備されている事業場は26(45.6%)であった。必要に応じて適切な業務上の措置がなされるようなシステムがある事業場は40(70.2%)であった。
《事業場内専門スタッフによるケア》

表3. 事業場内に心の健康づくり専門スタッフがいる事業場


 専門スタッフとしては産業医、心理相談員、臨床心理士の他に安全衛生管理者を挙げている事業場もあった。
事業場内スタッフがセルフケア、ラインによるケアに関する相談対応を行っている事業場は32(55.2%)であった。事業場内スタッフが関係者と連携するシステムが整っている事業場は35(61.4%)であった。事業場内スタッフが事業場外機関との連絡調整に関与している事業場は34(58.6%)であった。人事労務管理担当者の役割が心の健康づくりの活動の一部に位置づけられている事業場は32(55.2%)であった。

《事業場外資源によるケア》
 事業場外資源に関する情報を有している事業場は22(40.7%)であった。外部資源と契約を結んでいる事業場は8(15.1%)であった。事業場外資源に関する情報を従業員に周知している事業場は14(25.9%)であった。

4.考察
 「事業場における労働者の心の健康づくりに関する指針」が策定されてより調査時期まで約2年経たが、未だに指針自体を知らないと答えた事業場が多かった。また、指針に従って活動を行っている事業場は中・小規模の事業場では少なかった。今回の調査において、中小規模事業場であっても事例の発生があり、事業場としてもメンタルヘルスに対する関心はあるものと思われる。
 指針の中で推奨されている4つのケアについても、今回の調査では実施率は高いものではなかった。
 今回の調査結果により、長崎県において心の健康づくりを推進していくためには事業場に対し積極的に情報提供を行うとともに、事業場に対し指針の周知徹底のための広報活動、具体的な計画作りのための支援、事業場内スタッフのスキルアップのための研修活動を行っていく必要があるもののと思われる。
 
   
 
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